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続編のためのメモ 
 わが国の考古学界を震撼させた例の旧石器捏造は、行為としては万死に値しようし、そうであればこそ法は無力であるほかないこと、だから誰かが彼に天誅を下すほかないことを、先に述べた[下の本編の007]。
 だけれども同時に、それがその「学問」(ディシプリン)の体質に由来するものでもあることを、われわれは知っている。
 だってあなたは、お人よしにも「藤村新一」がひとりしかいないと思っているのか? そうでないというのなら、それはどのように証明されうるのだ?
 ザックからとりだした事物を古い地層に埋め、それをみずから(あるいは指示した者の手で)掘り当てるだけのシンプルきわまる行為が、日本中の42箇所で反復された。重大なのはこの発覚が、「現場写真」とその後の「自白」にもとづいている点であり、つまり学問の自己批評的展開のゆえなのではない点に、存する。
 ちなみに、在野にあった藤村が、たんなる功名心だけでなく「学問」(アカデミズム)への悪意をも抱く者であっのならば、「残り」の41箇所の自白以前に自死を決行して考古学にいま以上の混迷をもたらし、あるいは遺跡の地元住民にいたずらに希望をもたせ続けたことだろう。
 いや、逆説的な表現としてではなく、そうする「べき」だったのだ。彼自身ひとりのマニアであったがゆえの、最高の天誅として。
モダニスト 2001/12/15土14:12 [42]




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