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湯川釣行記 2000.08.17 |
初めての湯川、初めてのブルック!!
● 湯川の気持ちのよい朝 今日は久しぶりの遠征だ。それもいつかは行きたいと思っていた湯川!あきもえさん、Kitaさんにもお会いすることができる。1週間ほど前から湯川情報をネットで調べ、フライをいくつか用意していた。ただ8月の情報はほとんど無く、もしかすると条件が厳しくてあまり良くない時期かもしれないという不安はあった。が、一応コガタシマトビケラやマルツツトビケラなどのパターンを巻いておいた。 早朝3時30分に横浜を出て6時には奥日光、戦場ヶ原の赤沼茶屋に着いていた。距離にすると200kmちょとあるが、高速を使えば時間的には大した事は無い。道路脇の駐車場に車を停め、トイレに行ったりしているうちに、店の人が開店の準備を始めたので早速釣り券とボトルの飲料水を購入し、川への行き方を聞くと、店の向かいに入口のある遊歩道を歩いて5分ほどと言うことだ。ちなみにトイレは最近改装されたようで、ログハウス風の綺麗で使いやすくなっていた。 早速仕度をしていると、群馬ナンバーの車が隣に止まりフライマンが話し掛けてきたので状況を聞くと、ライズは10時ごろから始まるのでそれまではウェット(ニンフ?)を引くということだ。仕度を終えるとちょうど6時30分。待ち合わせの9時までに下流の方の様子を見るくらいは出来るだろう。そういえばウェーダーを履くのはことし初めてかな。ちょっと肌寒いのでレインウェアも着ておく。朝日の中男体山がくっきりと見えている。気持ちの良い朝だ。 ● 下流域では魚は沈黙 遊歩道に入るともう林の中だ。フライマンが2人ほどの他にトレッキングを楽しむ人もちらほら見える。今日は人出が多そうだ。しばらく歩くと川が見えてきて、橋がかかっていたので上から様子を見ていると、監視員のおじさんが話しかけてきた。最初の一言は早口の方言だったので分からなかった(苦笑)が、魚の種類はブルックとニジマスだと言うことを確認した後分かれて、遊歩道を歩きながら川の様子を見ていく。ブルックは木の陰やバンク際に隠れているらしいが、そう思って見ると良さそうなポイントばかりだ。が、魚影が見えない。水が濁っていることもあるが、魚の気配を感じられない。ライズも全く無い。とりあえず倒木の脇の深みやバンク際にBH付きのMSCを流すが、反応が無い。水に入って対岸から流したりもするがどうも調子がつかめない。川底は砂礫とその上に泥が溜まったところとがあり、泥にはまるとちょっと大変だ。両足とも膝近くまで身動きできなくなってしまう。
そんな調子で地図を確認しながらぶらぶらとヤツモモウラまできたところで、8時を過ぎていた。まあ今日はリハビリだからのんびり行こう。そろそろ戻らないと待ち合わせに間に合わない。ということで遊歩道を30分ほど歩いて赤沼茶屋に戻る。途中かなりトレッキングする人が増えていて、すれ違うたびに挨拶を交わすのも気持ちが良い。
● あきもえさん、Kitaさん登場 駐車場にはあきもえさんの車はまだ来てないようだ。コンビニで買った朝飯を食べようとしているとあきもえさん登場。Kitaさんも一緒だ。早速挨拶して朝の状況を聞くと、上流の方でニジマスを2匹ゲットしたそうだ。むっ、やるなー。Kitaさんは会津の方から直行してきたそうだ。つわものだ!何でも明日が放流日だという。1日早かったかな。 奥の駐車場の方がいいということで車を移動し、あきもえさんとKitaさんは早速下流のほうを釣りたいと言うので、私は朝飯を食べてから後を追いかけることにした。朝食を食べ終わって、また遊歩道の先の橋まで歩いて下流を見るとなかなか良い渓相をしている。餌釣りの頃もう少し下流でニジマスを釣ったのを思い出し、ちょっとやってみることにした。流れに立つと川底は岩盤で深くえぐれた部分が流芯となっていて、マスがついていそうだ。が、しばらくニンフを流すが反応が無い。そのうちブーンと言う羽音が聞こえてきた。例の蜂だ。近くに来ただけで嫌になる。この後もこの日はしばらく悩まされることになる。
● 上流域も沈黙? そろそろあきもえさん達を追いかけようと上流に向かうことにする。途中餌釣りのオジさんが1匹だけ釣れたと言う「イワナ」を見せてもらう。ほとんど放流ものとは言え日本の川でブルックが釣れるのは珍しいのだから、間違えないで欲しい。あのブルックはイワナと思われたままオジさんの胃袋に入るのかと思うと、ちょっと複雑な気持ちだった。が、ブルックの姿を見て俄然やる気が出てきた。 さらに上流に向かい、途中良さそうなポイントにフライを流すが反応が無い。忍野と違って魚が見えない分ちょっと釣りにくいが、どこかにいるはずだ。朝来たヤツモモウラを通りすぎしばらく行くと橋が見えてきた。これが青木橋かな。フライマンが一人木の根元からキャストしているが、釣れてる様子は無い。橋の上から流れを見ても魚影は相変わらず見えない。だいたいこんなに釣りやすいところに魚が残ってはいないだろうと思い。さらに上流に向かい、ときどき遊歩道から外れては川に出てフライを流す。そんなことを繰り返すうちにかなり上流の橋に出た。小田代橋だ。やはりフライマンが一人、かなりポイントに近づいてフライを沈めている。イメージしていた湯川の釣りとはかなり違う。あんなので釣れるのかな。その時はそう思っていた。ところで、一人で釣り歩いている間10回は蜂が近づいてきた。スズメバチ、クマバチなどでかいのばかりだ。一度は正面からまっすぐこちらに向かってきて、橋って逃げたりしていた。まったく困ったものだ。 これ以上上流に行くと帰りがかなりきつくなる。もう赤沼茶屋から3kmほど来ている。朝の分も合わせると普段の倍以上は歩いている。こんなに釣り歩くのも久しぶりだ。さすがに疲れてきた。お腹も空いてきた。途中適当に休憩しながら青木橋まで戻り、下流側に下りてフライを流していると、あきもえさんとKitaさんがやってきた。話を聞くと青木橋の上流から川に入りウェーディングしてかなり下ったつもりが青木橋に出てきてびっくりしたそうだ。私が上流では川に入ったときもそうだったが、この区間は分流があって分かりづらい。でもフライ専用区になっていて魚は残っているはずなんだけど、二人の話では全く釣れなかったそうだ。結局青木橋でKitaさんがブルックを2匹上げただけだ。 それからしばらくそこで3人でやっていたが、反応はあるがヒットしない。そのうちあきもえさんは上流に、Kitaさんは下流に分かれて釣り始めた。私は反応があった場所で粘ったがさっきの魚は出てくれない。さすがにお腹が空いたのであきもえさんのところに行くと、1匹釣れたと言う。「ボ」は私だけだ。ちょっとあせってくるがこういうときは休憩するに限る。時計を見ると3時近い。あきもえさんも一緒に行くと言うので、二人でKitaさんを探すが姿が見えない。二人で赤沼茶屋に戻って店に入ると、食堂は売り切れで終わっていた。パンやお弁当もなく、中禅寺湖まで戻らないと売ってないらしい。仕方なくお菓子を大量に買いこんでお腹に詰め込み、しばらく休憩する。いつもならお昼寝タイムですねなどと話した後、また釣りに戻ることにする。正直なところ私はかなり疲れていたが、このまま終わるわけにはいかない。まだイブニングもあるし。 ● 初めてのブルックは... というわけでまた遊歩道を歩き、途中いろいろと釣りの話をしながら、一番釣れそうな青木橋まで戻り、あきもえさんがさっきヒットした場所に二人ではいる。早速あきもえさんがマスを見つけたようなのでそこは彼に任せて、私は下流に向かう。ときどき思い出したようにライズがある。小さなマスかハヤのようだ。ライズを見たのと、このころになってやっと調子が出てきて(私は大体スロースタータなのだ(苦笑))キャストのリズムもよくなってくる。蜂の羽音も気にならない。が、まだヒットはない。あきもえさんは、マスを見つけたポイントで立て続けに3匹ゲットしている。
反応がないのでちょっと上流にはいって戻ると、あきもえさんがこのポイントをやってみませんかと言う。沈めたフライに出ることは出るがフッキングしないそうだ。ポイントは木の根が張り出した先の深みで、手前が速い流れになっていてラインが引っ張られる。今日はかなりフライをロストしているが、何とか一つだけ残っていたMSCに付け替え、キャストしてメンディングを入れると、フライ先行でなかなか綺麗に流れて行く。ラインを新しいのに変えて正解かな。ポイントに入るとマーカーが止まった...
軽く合わせると... 強い引きが返ってくる。やった!ヒットだ!「一発ですね!」というあきもえさんの言葉が心地良い。でもまだ油断は出来ない。サイズは20cmを超えるくらいのようだが引きが強く、なかなか寄ってこない。そうこうするうちに倒木にリーダーが絡まってしまったが、水の中に入って無事ネットイン。やっぱりスレだった。が、1匹は1匹だ!25cmほどのなかなか綺麗なブルックで、オレンジの斑点がイワナより鮮やかだ。記念すべき湯川での最初の1匹だけにむちゃくちゃ嬉しい!
その後、今のブルックをヒットした時に見えたもう1匹もすぐにヒットしたが、これもスレだったようでバラしてしまった。どうもショットを使っているとフッキングが安定しないようだ。 ● イブニングのハッチは何?? 5時を回ってあたりが暗くなってきてぼつぼつライズが始まった。何がハッチしているか分からない。
橋の下流に、昼飯に赤沼茶屋に戻る途中に会った夫婦連れが入っていたので、声をかけて横に入れてもらうと、Kitaさんが対岸にいた。早めに帰ろうと思っていたが私とあきもえさんを探していて結局イブニングをやることになったそうだ。後から聞くとすごいライズで2匹取れたという。Kitaさんすみませんでした。 私の前ではぽつぽつライズしているが#20のシマトビケラは全く見えない。2、3投してどうしようかと考えていると、夫婦連れが帰るからこちらにどうぞと声をかけてくれた。嬉しくなってちょっと話した後にそこに入れてもらいライズを狙うがヒットしない。もう全く見えなくて対岸ぎりぎりにキャストしてるつもりが外れてしまってるのかもしれない。と、ラインがブルっと震えたヒットか?よく見るとコウモリが飛んでいてラインにアタックしている。困ったものだ。そうこうしているうちにライズが無くなってきた。あきもえさんは、橋の袂で1匹、こちら側で1匹ライズを取っていた。彼もEHCしか巻けなくてキャストもいい加減なんて言ってる割りには、しっかり釣っている(笑)。それにしてもマスたちは何にライズしているか分からない。大きなEHCにも出るしMSCでもヒットする。以外に彼らはおおらかなのかも知れない。 すっかり暗くなってライズがなくなったので終了。時間は7時を回っていた。帰り道は湿原に霧のかかる幽玄な景色の中、ライトに照らされた遊歩道を歩いていく。昼間とは全く違う湯川がそこにはあった。30分の道のりも今日の釣りのことなど話しながら歩くと短く感じられた。 赤沼茶屋で恒例の自販機チェック。白っぽい小型のカディス#20(多分シマトビケラ)、黒っぽいカディス#16、シナモン色の羽蟻#20などがいた。 今日はとりあえず、念願のブルックが1匹ゲットできたし、いろんな面白い体験が出来た。久しぶりの遠征だったが、イブニングが終わった頃には疲れもどこかにいって、何よりも忍野と違う場所で昔の釣り勘をちょっと取り戻せたような気がする。もちろん、あきもえさん、Kitaさんと会えていろんな話が出来たのが最高だった。ほんとにありがとうございました!またご一緒させてください! |